人々の自由の増大は、社会の無秩序の増大をもたらす。 | 宮本浩樹のブログ ― アーカイブ ―

人々の自由の増大は、社会の無秩序の増大をもたらす。

<調達できる一切の政治的軍事手段を利用して、安定した世界平和をとおしてグローバルな秩序を保障するために〈帝国〉が立ち現れることは奇妙な事だとは思わない。>

アメリカ合衆国の建国の理念は、大西洋の反対側に大英帝国に代わる「帝国」を打ち立てる事だったはずです。
世界一高いビルは長い間「エンパイアステートビル」でした。

もちろんネグリの言う〈帝国〉は「アメリカ帝国」のことではなく、非-場所に存在する(特定の場所にあるとは言えない)概念の構築物の事です。

人も物も金も、国境を越えて自由に行き来する「グローバル化」は人々の自由の増大を意味し、それ自体が「悪」だとは思えません。それらの交通を調整し、秩序を保証する「権力」がどうしても必要であり、その「権力」自体は悪だとは思えない。という考えには同意せざるを得ません。