「〈帝国〉をめぐる五つの講義」より | 宮本浩樹のブログ ― アーカイブ ―

「〈帝国〉をめぐる五つの講義」より

まえがき 『帝国』に関する対話 より引用


>調達できる一切の政治的軍事手段を利用して、安定した世界平和をとおしてグローバルな秩序を保障するために〈帝国〉が立ち現れることは奇妙な事だとは思わない。
>しかし、アメリカのリーダーシップは、ときにそれが現す帝国主義的傾向によって徹底的に弱められている、と言えるように思う。
>おそらく、ほぼ間違いなく、合衆国は早晩、帝国主義的である事をやめ、〈帝国〉のなかに自己を再認識せざるをえなくなるだろう。
>世界の現下の帝国的構成体に対置して国民国家を再現させようとするどのような試みも「欺瞞的で有害な」イデオロギーを表す事になるだろう。
>国民国家をどうして欺瞞的で有害なイデオロギー以上のものでないと考えうるのか私には理解できない。
>〈生〉の見通しが延長され勤労者の〈知〉とモラルが豊かにされるのは、私にはいいことのように思われる。
>ほかでもなくここで、〈帝国〉はそれ自体善として自己を提示しているわけだ。
>我々の問題は、スピノザにとってと同じように、個々ばらばらの個人を一緒くたにすることではなく、むしろ、共同性の形態と手段とを恊働して構築し、〈共同的なもの〉の(存在論的)承認に導くという問題なのだ。
>マルチチュードが〈帝国〉に対してこれからすることについては、自分は、グローバルな諸運動の闘士たちが考え行う事にすすんで自らを託したい。
私の言う事を信じて欲しい。
彼ら闘士たちは、子供の頃から、我々なんかよりずっとずっと聡明で有能なのだ。

次回はこれらに逐語的コメントをつけてみようと思っています。
「信じようと、信じまいと。」やります。